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テーマ


家族(家庭)や友人といった人々の人間関係距離感という一般的なテーマをベースとしつつ、その裏側に隠れる孤独切なさ不安感倦怠感(アンニュイ)など、露呈されにくいものの存在を描き、じわじわとした不気味な恐怖感、あるいは不可解なとして表出させることで生まれる非日常(=日常に潜む狂気)を作品のテーマ(コンセプト)としています。

また物語の多くは、夏の時間を過ごす人々の心模様を描いています。夏特有の茹だるような熱の満ちる空気や夕暮れに吹く心地よい風、騒々しい蝉の鳴き声……そんな温度と季節感のある世界観を演出するとともに、時折垣間見られるシュールでどこか病的で幻想的(頽廃的)な印象深い描写もまた静かに翳るを彩るテーマとなっています。



物語


N大学の学生森月涼子は友人である植木里紗マニアと共にゼミの課題である学外調査を終え、夏の猛烈な暑さから逃げるように喫茶店へ入った。世間で話題となっている"女子高生失踪事件"の真相について語る二人の会話を耳にしながら、涼子はふと葉一のことを考える。
もし、葉一が行方不明になってしまったら……。

涼子にとって"家族"とは? "大切な存在"とは? そして、消息を絶った葉一の"過去"とは?
翳りゆく二人の夏が、"終わり"と"始まり"を告げようとしていた――。



登場人物


森月涼子(もりづきりょうこ)

N大学2年生。里紗、マニアと同じゼミの女子学生。同学年の葉一と親交が深い。趣味は短編アニメーション製作。

桐谷葉一(きりたによういち)

N大学2年生。成人。好物はミニトマト。

植木里紗(うえきりさ)

N大学2年生。涼子、マニアと同じゼミの女子学生。

マニア

N大学2年生。涼子、里紗と同じゼミの男子学生。皮肉屋で里紗との相性があまり良くない。よく飲食物をこぼす。

花村(はなむら)

葉一と同じゼミの男子生徒。気さくで誰とでも仲良くできるタイプ。

有原あずさ(ありはらあずさ)

17歳。行方不明となった後に「女子高生失踪事件」としてニュースや新聞で報じられる。

康介(こうすけ)

43歳。出版社を解雇され、職を失う。

愛美(あいみ)

康介の妻。39歳。家事を放棄しており、自宅にはほとんど帰らない。派手好き。

柿沢(かきざわ)

38歳。大手の総合家電メーカーのマーケティング部に所属。康介の大学時代の後輩。当時の名残から康介を「先輩」と呼ぶ。

マスター

康介行き付けの酒場「ぼんやり倶楽部」の店主。

みゆき

ぼんやり倶楽部のホステス。優しい笑顔と囁くような柔らかな声が特徴的。

長田(ながた)

森月家の隣家に住む老人。縁側に茫然と座っていることが多い。

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